2015年11月24日火曜日

腸の汚い人が増えている

日本では最近、「腸内環境」という言葉をやたら耳にするようになりました。

専門家によれば、実際、食べた栄養素を吸収する最終地点である腸の状態が悪い人が非常に増えています。

これは、穀物や野菜が少なく、高タンパク、高脂肪の食生活を続けていることが大きな原因だと言われています。

日本人は、もともと農耕民族なので、タンパク質の分解能力が弱く、タンパク質を取りすぎると腿内に未消化のタンパク質が残りがちになります。

未消化のタンパク質は、体にとって毒なのです。

さらに、日本人は西洋人に比べて腸が長いのでそれらの毒が長く腸内に留まってしまうのです。

また,便秘などで、腸壁が堅い排泄物と粘液に覆われている状態も問題です。

これはすべて、大腸ガンの原因になる発ガン改物質が作られる原因にもなります。

このように、腸が汚いと、あらゆる栄養素はもちろん、とくにミネラルが吸収されにくくなり、体に大きなダメージを与えます。

ソフトな断食のイメージの「ファステイング」は、腸の健康を回復するためにも非常に有効だとして、
いま注目されています。

2015年11月19日木曜日

食生活指針の変遷-2

2000年3月、厚生省(現厚生労働省)は農林水産省、文部省(現文部科学省)と連携を図って、指針に代わるものとして新しい食生活指針を策定・公表した。

ここでは主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」の表現は残されたが、

「1日30品目」の表現は削除された。



厚生省(当時)の担当者は、

「30の数字を絶対視して食べ過ぎてしまうことがあり得るので、数値表示をしなかった」のだという。
 
なお、以上の食生活指針は、
成長期~青年期~壮年期の日本人を対象としたものであるが、
1990(平成2)11月農林水産省が策定した7項目の「新たな食文化の形成に向けて-90年代の食卓への提案」のなかで、ライフステージ別に心がけたいこととして以下のような提案を行った。

*幼児期には:多様な素材と多様な味に慣れさせ、豊かな食歴をつくりあげよう。
*青少年期には:生活リズムにあった食生活を確立しよう。
*壮年期には:ゆとりとうるおいのある食卓づくりに心がけよう。
*高齢期には一食を通じて,|止代を超えたコミュニケーションの輪を広げよう。
 
幼児期に対する指針(成艮期の偏食を予防することを目的として)かはじめて提唱されたが、それ以上具体的な内容はなく、以後,幼児期に対する指針は改訂されていない。

少子化の傾向がますます著しくなるなかで、育児経験の浅い母親が、育児上の助言と支援や、より具体的な指針を必要としていることに関係機関は対応する必要があるだろう。


関連参照
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2015年11月18日水曜日

食生活指針の変遷 1

日本国民が、毎日食べる食品数を意識しはじめたのは、
1985年5月、厚生省(当時)が「健康づくりのための食生活指針」

のなかで、「1日30食品を目標に」と呼びかけて以来のことである。
 
当時、弁当・惣菜などの調理済み食品、加工食品、ファストフードなどが広く出回るようになり、
飲食店などの外食産業も急成艮した。

その結果、国民の栄養素摂取源か多様化したが、必要な栄養素の量比が偏っている可能性のあることか危惧された。

栄箆成分をバランスよく摂るためには、偏食を避けて、できるだけ多種類の食品を祖合わせて食べることが肝要だとして、その数値目標として1日30品目の食品摂取が、当時の「健康づくりのための食生活指針の中で提唱されたのであった。

具体的には、

●健康づくりのための食生活指針(1985年5月)

1.多様な食品で栄養バランスを
・1日30食品を目標に
・主食,主菜,副菜をそろえて

2.日常の生活活動に見合ったエネルギーを
・食べ過ぎに気をつけて,肥満を予防
・よくからだを動かし,食事内容にゆとりを

3.脂肪は量と質を考えて
・脂肪は摂り過ぎないよ引・こ
・動物性の脂肪より植物性の油を多めに

4.食塩を摂りすぎないように
・食塩は1日10グラム以下を目標に
・調理の工夫で,むりなく減塩

5.こころのふれあう楽しい食生活を
・食卓を家族ふれあいの場に。家庭の味,手づくりのこころを大切に

2015年11月17日火曜日

「マヨケソ」が日本人の味覚をダメにした

マヨネーズ、ケチャップ、ソース。

日本人には、おなじみのこの調味料、まとめて「マヨケソ」と呼んでみます。

このマヨケソは、味のインパクトが大きいため、小さい子供の頃から食べてしまうとやっかいです。

なぜなら、「この味しかおいしいと感じなくなってしまう」からです。

最近は、なんにでもマヨネーズをかけて食べる人をマヨラーなどと言っています。
 
このマヨラー、サラダだけでなく、ごはんにも、カツ丼にも、焼き魚にまで、マヨネーズをかけて食べるそうですね。

いつも、かばんの中に自分専用のマイマヨネーズを持っていて、学校でも会社でも、外で買い食いをするときでも、マヨネーズをかけて食べる人もいると聞きます。
 
マヨネーズのチューブをそのまま吸って食べるなんていう人もいるそうですが、
ここまでくると「味覚障害」、もう一種の病気です。
 
マヨネーズの味さえついていればいいわけですから、旬の野菜がおいしいとか、新鮮な魚がおいしい、といった素材の味の違いはわからなくなります。
 
食事のバランスなんて、どうでもよいということになってしまうのです。

マヨネーズの味で、お腹が満たされればそれで満足。体にいいかどうかは関係ない。

そんな食生活が体にいいわけがありません。

こうした食の欧米化、いや、ファストフード化が、現代の日本人の体を、実年齢以上に老けさせているのです。

2015年11月13日金曜日

日本人の体に適した燃料はお米です

ご自分の食生活を振り返ってみてください。
 
あなたは、エネルギーとなる燃料を何から取っていますか?

日本人にとって主たる燃料はなんでしょう。
 
答えは、ごはんです。

パンやスパゲティ、ラーメンではないのです。
 
しかし、近年、日本人は本当に米を食べなくなってしまいました。

日本人ひとりあたりの米の年間消費量は、1965年度(昭和40年)には111.7キログラムでしたが、2011年度(平成23年)には、57.8キログラムと、ほぽ半分にまで減少しているのです。

1日に換算すると、158グラムで、ごはん茶碗に1杯強といったところです。

これは子どもからお年寄りまでの平均なので、1日に1杯もごはんを食べない人もいるということです。

日本人が、主食であるはずのごはんを、
ここまで食べなくなってしまった原因は、戦後の食の欧米化にあります。

しかも、それは自然に起こったことではなく、政府主導の欧米化政策だったのですから、歯止が利かないのも無理はありません。
 
まず、日本人にはたんぱく質が足りないから、

・肉をたくさん食べましょうという運動が起こり、
・次に小麦粉を食べようという運動が起こり、学校給食などはすべてパンになりました。

そして、栄養素をバランスよく食べましょうということで、1958年(昭和33年)、厚生省(現厚生労働省)によって、6つの基礎食品というものが晋及させられたのです。
 
その中で、米は5群の糖質にあたりますが、糖質ばかりでなく、6つの基礎食品をまんべんなく食べるためにも、ごはんを減らそう、ということになったのです。
   
たしかに、6つの食品をまんべんなく食べた上で、ごはんをたくさん食べれば過食になるでしょう。
   
しかし、そもそも、それぞれの食品に含まれるI栄養素だけを、とって、バランスよく栄養素を取りましょうという発想そのものが間違いなのです。
   
ごはんを、糖質の塊のように思りている人もいるかもしれませんが、大きな勘違いです。
   
ごはんには糟質がたくさん含まれますが、糖質のほかにも、少量のたんぱく質や脂質、そしてビタミンB群や、カルシウム、鉄、マグネシウムや亜鉛などのミネラル類、さらに食物繊維も含まれています。
   
これが玄米になると、糖質、たんぱく質、脂質はそのままで、ビタミンやミネラル、食物繊維の倍になります。

古来より日本人は、ごはんをたくさん食べて、それで足りない栄養素を野菜や魚介類で補ってきました。

ごはんを食べるために、おかずがあるというくらい、ごはんが中心だったのです。
 
栄養素のバランスという意味でも、それで十分とれていたということです。

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●出典:幕内秀夫「粗食で10歳若返る」 など

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2015年11月8日日曜日

ニッポンの粗食を見直すー10。もち


ごはんの次に主食に適した食品、それは「もち」です。

野菜や魚と合わせたもち料理は、お楽しみのメニューになるでしょう。

炭水化物を多量に含む食品が数ある中で「主食」の座に君臨し続けるごはん。


成分以外の面で思い浮かぶごはんの優れた点は、

そのままでおいしく食べられる
野菜や魚介類と相性か良い
昔から食べ継がれてきた
毎日食べても飽きない

など。

これらを「主食の条件」とするなら、ごはんに次いで主食に適しているのは、「もち」なのです。

もちは特に野菜や魚介類との相性が良く、この点では麺類よりはるかに上です。


雑煮のように煮込むなら、どんな食材を一緒に入れても無理がありません。

腹持ちの良さという点では、ごはんにも勝ります。
 
もち料理をおいしくするコツは、一部分でもいいから、もちにこんがりとしたキツネ色の焼き目をつけること。

この「キツネ色」が、独特の風味をプラスし、もちの甘みも引き出します。

もち米の玄米で作る玄米もちも、おいしくてお薦めです。

玄米のごはんが苦手な人にも大好評です。



ところで、もちを買うときに注意すべき点が一つあります。

それは、100%もち米で作られた「本物のもち」を選ぶこです。


実は市販品の中には、「もちのような物」があるのです。

そのもちとは、原料にコーンスターチを加えたものです。

やたらと伸び、煮込むと溶けてしまう代物です。

コーンスターチの原料となるのは主に輸入トウモロコシです。

周知のとおり、遺伝子組み換え種が混ざっていないとは言い切れないのです。

瑞穂の国で、もち選びに気を使うのも妙な話ですが、気にとめておく必要はありそうです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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2015年11月3日火曜日

ニッポンの粗食を見直すー9。麺

はのど越ごし良く食ぺやすいもうひとつの主食です。

食欲が落ち、ごはんが重いと感じたら、薬味と一緒に麺を流し込んでおきましょう。

これでエネルギー源をしっかり補充できます。


讃岐うどん、きしめん、ほうとう、わんこそば……。日本の各地に名物の麺類があります。

米不足を補う目的で麦やそばを栽培し、ごほんの代わりにうどんやそばを食べていた時代の名残です。

麺類もごはんと同じ炭水化物です。

ですから、麺を主食にもってくる考えは理にかなっています。

昔の人はそうせざるをえなかったわけですか、このアイディアは、現代の食生活にも十分です。


例えば夏バテ気味のときや体調がすぐれないとき、ものを食べるのかおっくうになることがあります。

「かむ」という行為は、意外に面倒で疲れる運動なのです。
 
そんな食欲のないときは、そうめんや冷や麦などをとにかく流し込んでおきます。

細い面なら、ほとんどかまなくてもツルッとのどを通ります。

荒っぼいようですが、バテないためのエネルギー補給には、これが一番です。


一方、寒い季節には、太くてこしのある麺が向いています。

歯応えのある麺をよくかんでいると、体も温まってきます。
 
面白いことに、日本各地の麺類の太さは、南の地方ほど細く、北へ行くほど太い傾向があります。

暑い南の地方では、なるべくかまなくていいように、寒い北の地方では、しっかりかめるように、ということなのでしょう。

麺の太さも風土によって決まるのです。
 
さて、主役が麺に決まったら、薬味の用意をお忘れなく。

薬味は、そっけなくなりかちな麺に複雑な味わいをプラスし、食欲を促してくれる、麺にとっての名脇役なのですから。


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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

関連参照
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