2016年3月29日火曜日

骨を丈夫にする豆腐のちから

いまや、健康への関心が高い欧米では、家庭の冷蔵庫に豆腐が入っている時代です。

世界トップクラスの長寿を誇る日本人の食べ物として、人気が高くなっているのです。
 
水分が多く、満腹感を得られる割にはカロリーが低く、タンパク質が豊富ですから栄養不足にはなりません。

すぐれたダイエット食としても評判を呼んでいろのです。
 
豆腐は買った時点ですでに食べ物として完成していて、アイスクリームのように、そのままスプーンですくって食べることもできます。

しかも味がプレーンなので、
サラダにもスープにも、煮込みの材料にもなるという応用範囲の広い食材にもなります。


  豆腐屋は  時計のやうに廻るなり


とは江戸時代の川柳で、豆腐屋は朝早く、決まった時間にやって来るので時計代わりにもなりました。

江戸っ子の朝食に豆腐や納豆は欠かせなかったのです。

豆腐も納豆も大豆加工食品で、そのまま食べられるという共通性があります。
 
ご飯に納豆をかけて豆腐の入った味噌汁を飲み、焼いた油揚げに大根おろしと醤油をかけて食べる。
念の入ったお膳になると、さらに煮豆がつきます。

もちろん、焼き魚や漬け物も食べますが、江戸の食卓には大豆加工食品がやたらと多いのです。
 
江戸の町は人口過剰の競争社会で、
その中で頭角を現わすためには、頭の回転が人よりも優れていなければなりませんでした。
 
しかも生涯現役社会ですから、健康の自己管理も重要になってきます。

そのような生活を乗りきっていく力となったのが食事で、なかでも大豆でした。

江戸っ子は経験的に「大豆の力」を知っていたのです。
 
最近、豆腐や納豆、味噌など、大豆パワーか急速に見直されています。

そして、いまや、今100歳長寿者が6万人を超える不老良寿社会を迎えています。

元気で長生きするためには、行動を支える骨を丈夫にしなければなりません。
 
骨がスカスカになる骨粗しょう症が中高年の女性に多いのは、加齢とともに女性ホルモンが激減するためです。

ところが、豆腐にはイソフラボンという女性ホルモンによく似た働きをする成分が含まれていて、老化によって骨がもろくなるのを防ぐ作用のあることが分かっています。
 
イソフラボンは、女性の乳がんや、男性の前立腺ガンなどの予防効果でも脚光を浴びています。

骨を丈夫にするためには、カルシウムをしっかりとって、イソフラボンにも注目することです。
 
その意味で豆腐入りの味噌汁は、カルシウムとイソフラボン両方が入っているので、
骨を強くするには理想的な食べ物でしょう。
 
そして朝ごはんでのおすすめは、カツオ節をたっぷりかけた豆腐。

豆腐を器にとり、カツオ節と醤油だけで食べるので時間もかかりません。

脳の幸せホルモンのセロトニンを増やす食べ方で、カツオ節にはセロトニンの原料となるトリプトファンがたっぷりなのです。


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2016年3月22日火曜日

黒ごまと宮本武蔵 


戦国時代、戦場の武士たちに大変喜ばれた兵糧に「ゴマむすび」がありました。もちろん黒ゴマです。

香ばしくて、食がすすむだけでなく、疲労回復に役に立ち、体が軽くなって新しい戦意の湧くパワー源として卓越していたからです。

特に、諸国を旅して剣の道を極めようと修行する武士にとっては不可欠でした。

武者修行といえば、現在でも人気が高いのが宮本武蔵

彼も修行食として「干し飯(玄米飯を乾燥させた保存食)」と、「黒ゴマ」の携帯を忘れなかったと伝えられています。
 
玄米や黒ゴマなどを常用すると、体力が強化されるだけではなく、病気に対する免疫力が高まることを経験的に知っていたのです。

黒ゴマの50%強は良質な脂質なので、カロリー効率がよく疲れません。

力ルシウムが豊富なので、イライラを防いで集中力を強くするには理想的なのです。

黒ゴマ100グラム中には、ビタミンB1が、ほぼ1ミリグラム含まれています。
 
武士の主食である米飯の炭水化物は体内でブドウ糖に分解されて、筋肉や頭脳のエネルギー源となりますが、ブドウ糖が効率よく燃焼する時に欠かせないのがビタミンB1です。

したがって、黒ゴマをまぶしたおにぎりは香ばしくておいしい上に、頭脳や筋肉へのカロリー効率が非常に
いい食べ物なのです。

 
競争社会で勝ち残るために、食事だけでも武士を見習いましょう。

年をとると物忘れが頻発しますが、その発生を少なくする成分のひとつもビタミンB1です。

ストレス社会、高齢社会だからこそ黒ゴマは重要です。
 
若返り効果の高いビタミンEも含まれていますが、さらに重要なのがセサミンという抗酸化成分です。

「細胞の酸化」はイコール「細胞の老化」に他なりません。



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2016年3月15日火曜日

風邪かなと思ったら牡蠣や牛肉。

風邪にかかったかな、と思ったら24時間以内に亜鉛を摂ると効果的という、面白い研究があります。

客観性を高めるためにプラセボ(偽薬)を摂った場合と比べて、くしゃみ、鼻水などが出始める風邪の引き始めに亜鉛を摂ると、2.63日=約3日も風邪にかかる日数が短くなったといいます。

もともと亜鉛は体に必要なミネラルの一種です。

体の新陳代謝を促し、免疫力の強化を促す働きがあり、亜鉛を摂ると風邪のウイルスや細菌か喉や鼻の粘膜から侵入するのをブロックし、風邪の予防と症状の低下に役立つのではないかといわれています。


風邪を引いたら亜鉛の多い食品を摂ろう、というわけです。

一番豊富なのは、何といっても牡蠣です。

大きめの牡蝦4個なら1日に必要な摂取量8~11mgが一度に摂れてしまうので、風邪のときは牡蠣、と覚えておきましょう。

ただ、ノロウイルスが含まれていて胃腸炎の風邪にかかってしまうこともあるので、加熱したものを食べましょう。

また、同じ亜鉛が風邪に効くという研究に、75mg以上を摂れば2.75日も風邪にかかる期間が減ったという報告もあります。

この1日75mgというのはアメリカの研究による数値で、日本での亜鉛の1日の上限量は男性は40~45mg、女性は35mgなので半日程度しか縮められない。

牡嬬や牛肉、レバーなどを食べれば症状を少しは軽くすることができそうです。

足りない分はサプリメントで補うという手もありますが、なるべく食品から摂ることをおすすめします。


特に風邪を引いて弱っている体には、天然の栄養素から亜鉛を摂つたほうが、摂取量以上の恩恵を受けられると思われるからです。

2016年3月8日火曜日

筋トレはウツに効く

運動がストレス発散になることを経験上知る人は多いでしょう。


世界14カ国の22~88歳の男女2326人を

・「運動をしない」グループと、
・「エアロビクスか、筋トレ」を行うグループに分け、

うつ病の改善で、4~16週間観察をした研究があります。


運動しない場合に比べると、運動したほうが中程度以上も改善しているのですが、有酸素運動のエアロビクスより、筋トレのほうか約2倍、しかも、1.03と非常に効果があることを証明しています。


では、なぜ筋トレなのでしょうか?

こんな説があります。

まず運動することで筋肉の中にPGC(ベプシノゲン)という酵素が生成され、
それによってウツ病を引き起こすというアミノ酸のキヌレニンが脳に達するのを事前に防いでくれます。

また、筋肉中にあるPGCは加齢とともに減少するとされ、運動で筋肉を強化すればPGCの減少が抑えられるので、薬に頼らずともうつが解消できるはずという説もあります。

効率よく筋肉を鍛えるためには、やはり筋トレが一番なのです。

筋肉を太くしたくない女性は、軽いダンベル運動を回数多めにすればいいのです。

週に150分をひとつの目安としましょう。


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2016年3月1日火曜日

アジの干物と日本人

魚の干物といえば、なんといってもポピュラーなのがアジの開きです。

朝ごほんのおかずの定番で、旅館の朝食にもよく出てきますが、日本人の好きな焼き魚だからでしょう。
 
アジは一年中それほど味に変化はありませんが、やはり旬の夏にとれたものは格別に美味しいものです。

ここでいうのはマアジのことで、ほっこりと焼いた淡塩の生干しのうまさは天下一品です。

アジの語原は、「味がいいから」「あじは昧に通ず」などいろいろあるようで、
『魚鑑』という江戸時代の書物には「生干しものを上とす」と紹介されてあり、焼いて食べると最高にうまいと記載されています。
 
アジの肉には比較的クセかなく、干物、塩焼き、刺身、天ぷら、たたき、酢のもの、煮付けと何にでも向いています。

栄養面でも大変にすぐれていて、タンパク質や脂質、ビタミンB類、カルシウム、鉄、亜鉛などが豊富ですが、なかでも特徴的なのはタウリンです。

タウリンは、タコやイカ、エビ、貝類などに多いことで知られる栄養素ですが、意外にも青魚のアジにもたっぷりなのです。

心臓や肝臓の働きを助け、視力回復や動脈の硬化などにも効果が期待されている成分で、
イライラを防ぐ作用でも注目をあびています。
 
脳の機能を活性化し、「頭がよくなる」とされるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血液サラサラ効果でよく知られているEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
 
DHAには抗ストレス作用もあるので、朝食にアジの干物を食べるのは、
「一日を心穏やかに過ごしましょう」という、魚食民族日本人の知恵といえるのではないでしょうか。


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